公務員こんなことが大変でした【仕事編】

転職や就職で常に人気上位の公務員ですが、皆さんは公務員に対してどんなイメージを持っていますか？

おそらく、「仕事が楽そう」「定時で上がれてプライベート充実」なんていうイメージを持っている方も多いかと思います。

しかし実際に働いてみるとイメージ通りの良いことばかりではありません。

この記事では、１０年間地方公務員としての経験から、大変だったこと苦労したことを書きます。

「公務員の実情を知りたい」というこれから公務員への転職を考えている方はぜひ参考にしてください！また、「こんな苦労があるのは自分だけかも・・・」と悩んで民間への転職を考えている現役公務員の方には、あるある！と共感してしていただけるかと思います。

それでは、見ていきましょう！

Contents

公務員で大変だったこと・・・仕事編

まずは、役所に勤める中で大変だと感じたこと、苦労したことをご紹介します。

公務員といえば、楽で給与が良くて定時で上がれて・・・という良いイメージですが、実際に働いてみるとギャップに驚きました。

残業は多い、目が死んでいる先輩、鬱病が蔓延、人手不足もある。その反面、仕事もしない高給取りのおじさんがのうのうとしている。

テレワーク、フレックス制度などワークライフバランスを重視した世間の動きに敏感で柔軟に対応できる民間と違い、ガチガチに縛られた行政では大変な労力が伴うため誰も積極的に動こうとしません。あっても体裁だけ整えて中身が伴っていない無意味な制度ばかり。

私は新卒で入ったため、そんなもんかと受け入れていましたが、民間から公務員へ転職された方達は慣れるのに大変だろうなと感じました。

公務員、とりわけ役所に勤務すると部署異動を必ず（専門職などは例外ですが）経験します。

行政ではゼネラリストを育てること、業者との癒着を防止するためなどの理由でジョブローテーションによる部署異動が必要とされますが、私は役所の部署異動は転職とほぼ変わらないと感じました。

例えば・・・

（異動前）土木部で道路の道路の安全管理を担当
（異動後）福祉部で生活保護の担当

（異動前）財政部で予算編成の担当
（異動後）農政部で農業後継者育成の担当

などなど、民間であれば転職でもしなければ交わることの無いであろう仕事を自分の意思とは無関係にやることが決まるのです。

職場は一緒とはいえ、扱う法律も制度も言葉も違う分野の仕事に慣れるにはある程度の時間もかかります。

しかも、頑張って勉強したのに人員配置の都合で異動なんてこともあり、がっかりしてしまいます。

役所の中にある税務部門では、滞納者に対して督促や徴収の業務を行います。これが思いのほかストレスを感じます。

もちろん納税は国民の義務なので徴収業務は仕事として間違ったことはしていないのですが、「お金を払ってください」と言われて嬉しい気持ちになる人はいませんよね。

しかも、「楽して税金から給料をもらってる」イメージのある公務員が徴収に来たら良い顔をされないのはなんとなく想像できますよね。
正しいことをしていても、怒鳴られて追い返されるというのも日常茶飯事です。

また、私が特に嫌だなと感じたことは、滞納者リストに知り合いがいることです。

ただでさえ嫌われる徴収業務を知人に対してやらなければならないという苦行です。
小さい頃に仲良く遊んでいた友人の家に滞納があったりすると心がすごく痛くなります。

この業務をするにはある程度割り切ることが必要なのですが、それができないと精神的にもとても辛い仕事です。

地震や台風、豪雨・豪雪など、災害が起こると真っ先に対応するのが自治体などの行政です。避難所の設営や安否確認、巡回など２４時間体制で業務にあたります。

災害が起こると業務が過酷になることももちろん大変なのですが、私はそれ以上に、配偶者や子供など家族が心細いときに一緒にいてあげられないことがとても辛かったです。

全体の奉仕者である公務員としては失格かもしれませんが、いざというときに家族のそばにいられないことに公務員の大変さを感じました。

これは内部の職場環境の問題です。

前例主義、事なかれ主義、「やる気が出ない」が口癖の上司・・・こういった空気感の職場が多く息苦しさを感じました。

新入職員の頃は、住民のため地域のために頑張るぞ！とみんな高いモチベーションと情熱を持って入庁しますが、それがどんどん削られて同化していってしまうのです。

どれだけ自分はモチベーションを高く持っていこうと思っていても、やってもやらなくても同じという公務員マインドが充満している空気感の中では、モチベーションを維持していくことは中々大変で、このままではダメだと思い退職を考えるきっかけにもなりました。

公務員時代に私が仕事で大変だと感じたことをいくつか挙げてみましたが、まだまだたくさんあります。

ただ、「公務員の仕事は楽」というイメージが先行して中々周囲から分かってもらえないというのも辛いことの１つです。

民間の方がノルマもあるし辛いよ・・・という見方もあると思います。ただ、公務員だって大変なことはたくさんあります。

入ってからそのギャップに苦しまないためにも、公務員は楽だからというイメージだけで転職するのではなく内部事情もよく理解した上で転職することをオススメします。