公務員を辞めたいけど周囲に同じ境遇の人がいなくて相談できる人がいない、話を聞く人がいない・・・という方も多いのではないでしょうか。
この記事では私の経験をもとに、その時々の気持ちの変化や感じたことなどを書きます。公務員を辞めたごくごくフツーの人間がどういう経験をしたかをご覧いただき、転職するかしないか向き合う参考になれば幸いです。
公務員を辞めた理由
そもそも私が公務員を辞めた理由は大きく分けて以下のような感じです。
【公務員を辞めた理由】
・民間で通用するかやってみたかった
・公務員の仕事に面白みを感じられなくなり、一生続けていくことができないと感じた
・公務員でいることにプレッシャーを感じてしまった
・専門性を身に付けたかった
以上のような思いから民間への転職を決意したわけですが、公務員を退職してから現在2社目です。
現在の結論としては、「後悔していません!」と自信を持って言えます。ただ、退職から現在に至るまでに様々なことがあり、その中には挫折や落ち込むこともたくさんありました。
転職1社目・・・不動産・建築関係
念願の民間での仕事
晴れて念願の民間企業での社会人生活がスタート。取得していた宅地建物取引士などの資格も活かして頑張るぞ!と意気込んでいました。未経験の業界であったことや慣れない営業などで大変なことをたくさんありましたが、役所とは違い物事がスピーディーに進んでいくことや、「公務員」という方の荷が降りたことで、とても身軽さを感じました。
何より、ミーハーですがクリエイティブな仕事に憧れを抱いていたことから、自分の出した広告や営業資料から反響があったときはとても嬉しかったですし、これまでの仕事とは違い成果がお客様の反響という目に見える形で得られることにとてもやりがいを感じました。「センスがいいですね」なんて言われ、「やっぱりこの仕事は自分に向いている」「転職したのは間違いじゃなかった」と感じていました。
仕事に行くのが苦痛に
やりがいのある仕事内容や公務員時代の水準をキープできている給与面など、順調に民間への転職を成功できたと感じていましたが、1年を過ぎたあたりから徐々に変わっていきます。原因は職場内での人間関係です。それまでは良好にいっていたことが何もかもうまくいかなくなります。
直接的な原因ははっきりとは分かりませんが、おそらく上司の求める人物像に私自身が追いついていけず、期待される働きができていなかったことが原因だったのではないかと考えています。それからは私のとる行動、話し方、服装、資料、1日のスケジュール、全てにチェックが入り、「遅い、使えない、センスがない」と毎日のように怒られる日々へと変わりました。
そこから私は仕事の目的を見失い、上司に怒られないための資料を作り、上司が納得するスケジュールを組むようになります。夜中の3時までかけて作った資料も一瞬で没。(自分の力が無かったことも理解しています。)
私は、ストレスとプレッシャーから、自分で自分の顔を殴るという自傷行為に走ってしまいます。顔に痣ができていましたが、家族には仕事でぶつけたと嘘をついてやり過ごしていました。自分でもまずい精神状態だと分かっていながらも自傷行為をすることで心の逃げ道を作っていたのだと思います。
傍から見たら失敗〜大きな挫折
そんな状況が半年ほど続き、このままでは死ぬか、潰れてもう二度とまともに社会復帰できなくなるかのどちらかだと思い、再び転職を決意します。
公務員からの転職という覚悟を決めた行動からわずか2年あまり。周囲から見たら盛大な失敗、転落人生に見えたことでしょう。「そら見たことか、身の程知らず、負け犬」という声が脳裏をよぎり、実際に身内からも非難されました。それでも、このまま我慢して働くだけのメリットはないと考え、自分のことを優先して会社を辞めました。
私自身、これまでの人生で仕事や人間関係を含めてこれほどにうまくいかなかったことはなかったので、正直とても大きな挫折でした。自分は民間では通用しないのか、社会に必要とされていないのかと疑心暗鬼になりました。
そんなネガティブな状態のまま大きな覚悟を決めた民間への転職1社目は終わりを告げました。しかし、そんな時期でも不思議と公務員を辞めたことに後悔はありませんでした。自分がどの程度の実力か、何ができて何ができないのか、得意不得意はなんなのかを知ることができ、死ぬほど向き合うことができたからです。公務員のまま過ごしていたらそんなことには気づかずになんとなく人生終わっていたのだと思います。
転職2社目・・・士業事務所
やりたいことと出来ることの整理
1社目の退職に後悔は無かったとはいえ、大きな覚悟でやっとの思いで決断した公務員からの転職だったため挫折感はとても大きく中々立ち直ることができませんでした。
そこで次の仕事を考える上で、
・自分は何で社会の役に立てるのか
・何で貢献していけるのか
・どういう状態でいるのが自分にとって気持ちのいい状態のなのか
これら重要視して、まずは自分の適正を改めて把握しようとしました。そこでは、これまで考えてきた自分のやりたいことや好きなことより、自分が今出来ることや得意なことを大切にしました。つまり、公務員からの転職時の仕事の選び方とは反対のやり方をしたのです。やってみたいことへ挑戦するため公務員を辞めた私がこれをすることは中々に勇気がいりました。
それによって私が民間2社目に選んだのが、社会保険労務士。行政書士業務を行う事務所です。自分自身のこれまでのキャリアを振り返ったときに、バリバリの営業より法律やルールを扱う業務が自分の適職だ!と考えました。
・専門性を極める
法律やルールの中で、しかも事務職なんてやるんだったら公務員のままで良かったやん!という声が聞こえてきそうですが、私もそう思いました笑
ただ、公務員時代と決定的に違うことが、専門的にやることで身に付くスキルや知識、経験が圧倒的に違うこと。また、もう1つ大きく異なったのが周囲のモチベーション、プロ意識が高い環境であること。
この2つがあることで、現在の仕事に誇りを持って取り組むことができています。現在は経験を積み、国家資格の取得を目標にしています。
まとめ
公務員を辞めたことに後悔はない
転職1社目では人生の中でも大きな挫折を味わい、世間から見れば失敗に写るかもしれませんが、私自身公務員を辞めたことに後悔はありません。おそらく、転職を悩んだ時にあのまま公務員でいたら、もっと後悔していたと思います。
「やらない後悔より、やって後悔」という言葉がありますが、私はやったことによる後悔もありません。つまり公務員から転職したことは正解だったと思っています。もちろん、これから先、やっぱり辞めなきゃ良かったと思う可能性は十分にありますが、そうならないように努力できるチャンスは無数にあるのです。自分次第で、後悔にも成功にも変えられると思うと、これまでに無かった人生の目標ができた感じがします。
もし転職に悩んでいる方がいるのであれば、怖がらずに一歩踏み出してみてください。確実に今までより世界が広がります。それはきっとあなたの人生にとって必要なもので必ずプラスになります。
もちろん人生の大きな分岐点になりますので、たくさん考えて悩むことをオススメします。その結果転職という行動に移さなくてもそれは自分の人生について考える大切な時間になります。
ぜひ、自分自身と向き合う時間を作ってみてください!