よく「あいつはコネ入社だから・・・」「あの人は親の力で入ったんだって・・・」なんてことを社会人のみなさんなら一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
これらはいわゆる縁故やコネを使って入りたい会社に入ってしまうことを指します。
世間一般的にはあまり良いイメージのない言葉ですが、公務員の世界でもこのようなことがあるのか気になっている方も多いと思います。
この記事では、地方公務員として10年間勤務し人事部門にも携わっていた経験から公務員のコネ採用の実情について書きます。
「コネを使ってでも公務員になりたい」「コネ?何それ美味しいの?」という方もぜひ参考にしてみてください。
どんなコネがある?
首長の地元関連
採用の最終権限は言うまでもなく首長が持っています。
そのため首長との何らかの繋がりのある場合は採用に有利に働くことがあります。特に首長の地元エリアにゆかりがある人が採用されやすいというのがよくあるケースです。
例えば、親が首長と同じ出身地で仲が良かった、首長と親戚関係にあった。などが挙げられます。
面白いことに、首長の在職期間の採用者を見ると首長の地元関連に偏ってることがよく見られます・
地元議員関連
上記の例の首長ではなく、地元議員のパターン。
地方議員は自治体や行政運営と非常に密接な関係にあります。そのため、力を持っている議員が間に入るというパターンもあります。
首長の後援会関連
首長選挙などの際にはよく〇〇候補後援会というのを見聞きしませんか?この後援会は、応援する候補者を当選させるために活動します。首長選挙などに当選するためには立候補者の力だけでなく、サポートしてくれる後援会の活躍がとても重要になります。
あれ、選挙の話?と思うかと思われますが、当然自分の選挙活動のため尽力してくれた方に対しては恩がありますので、そのサポートしてくれた後援会の方に関係のある人が採用試験を受験した際には、受からせてあげたいと思うのは人間の心理としてあり得る話です。
3つほど事例を挙げましたが、これらはほんの一例です。このほかにも元職員や地域の有力者繋がりなどたくさんありますので、そうした目線で見てみると意外と面白いものです。
ただし、一次試験の多くは筆記試験があり、まずはそこで一定基準の点数を取らなければコネを有効的に使える面接まで進むことすらできないため、コネ採用といえど、ある程度の知能が必要だといえます。
(通過基準さえ優遇されてしまう強力なコネがあれば話は別ですが・・・)
コネ採用は分かる?
小規模な自治体、団体であれば分かります。
大体が「誰々の息子だ」「◯◯の出身の人だ」というのが知られています。そうすると「あー◯◯の繋がりで役所に入ったんかなー」という話に必ずなります。
最近では、そういったあからさまな縁故での採用というのは少なくなっているかもしれませんが、ある程度の年齢の職員で、仕事が全くできなかったり、コミュニケーション能力が明らかに不足していたりして、なんでこの人が公務員になれたんだろう?という人が必ずどこにもいますが、そういった方の多くは何らかのコネがあって入ったという可能性が高くあります。
必ずしも「コネで採用された」と確定されることはなくても、そういうイメージを植え付けられることはあります。
まとめ
コネが全てではない
ここまで散々コネ採用はあります!と書いてきましたが、公務員の方の大多数は狭き門である公務員試験を正面から突破してきたことを、名誉のためにお伝えしておきます。
このご時世にあからさまなコネ採用などは、すぐに世間から叩かれる標的となってしまいます。また仮にコネで公務員になったとしても、後ろめたさで自信を持って仕事に取り組めないこともあるかもしれません。
採用する側もされた側も長い目で見ると誰も得しない結果になります。
コネがあるなしに関わらず、しっかりとした熱意を持った方が公務員になることがよりよい社会づくりに欠かせないことは間違いないと思います。