公務員でこういった悩みを抱えている人は少なくありません。
みなさんはジョブローテーションという言葉を聞いたことがありますか。
この制度、実は公務員が転職を成功させる上で、とても重要なことなのだと私は実体験から学びました。
この記事では、公務員が転職を成功させるために、うまくジョブローテーションを活用するための内容となっています。
転職を考えている公務員の方はもちろん、今すぐにではなくても転職を少しでも考えている現役公務員の方はぜひチェックをしてみてください。
それでは見ていきましょう!
ジョブローテーションってなに?
そもそもジョブローテーションってなに?という方に。
ジョブローテーションとは
ジョブ・ローテーション(英: job rotation)とは企業において社員の能力開発、ワークギャップの解消、モチベーション維持を行うことを目的として、多くの業務を経験されるために一人の人間を定期的に異動または転勤させること。
引用元:Wikipedia
こういうのって、規模の大きい企業の制度って思われる方も多いかもしれませんが、公務員も例外ではなく、大都市はもちろん、町村役場でも定期異動というものがあります。
上記のような説明文だと、個人のための制度というニュアンスですが、どちらかというと組織のため(都合)というのが私の体感です。
この制度には、メリット・デメリットの両面がありますが、職員個人でどうこうできる問題ではありません。
ただ「どうせ、どうしようもないことだから・・・」と諦める前に、メリットやデメリットを理解した上で、それをどう自分の経験・スキルとしていくかを考えながら、日々の業務にあたることが、公務員からの転職成功への道だと私は実感しました。
それでは、実際にどんなメリット・デメリットがあるのか見ていきましょう。
ジョブローテーションのデメリット
専門性が身に付かない
ジョブローテーションでは、3年を目安に異動があります。
例えば、土木部→税務部、福祉部→農業振興部など、全く畑違いの部署へ異動となることも珍しくありません。
そのため、広く浅くの知識経験になってしまい、専門性やスキルを身につけることが難しくなります。
転職市場で公務員は使えないと言われてしまう要因の1つはこれが大きなものだと、転職活動で私も体感しました。
リセットされてしまう、常に転職
上述のように定期的に異動があることで、知識やノウハウ、人脈などのその期間にせっかく積み上げたものがリセットされてしまいます。
その部署でせっかく身に付けた専門的な知識も異動先の畑違いの分野では活かせる場もなく、どんどん古いものになっていってしまいます。
また新たな部署で一から仕事を覚えるとともに、関連する取引先などとの関係性も構築していく必要があります。(これがなかなか大変です・・・)
もちろん、仕事をしていく上での行政内の基本的なルールは同じですが、それ以外の部分では全く別の会社に転職したんじゃないかと感じるほどの出来事です。
興味や得意分野を活かせない
行政内には、社会の様々な分野と繋がる業務があります。
税務、財政、地方創生、建築、福祉などなど、この他にもたくさんの分野があり、とても幅が広いです。
その中には興味のある分野ややってみたいと感じる仕事もきっとあるはずです。
面接の際に「やってみたい仕事をありますか?」などの質問は高い頻度で聞かれると思います。そして実際に希望する部署に配属されることもあるでしょう。
しかし、どんなにやりがいを感じていても異動の内示1枚で全く興味のない部署へ異動となってしまいます。
悲しいことに公務員である以上(サラリーマンでもそうですが)それには従うしかないのです。
得てして、「ここで長く働きたい」と自分が望む部署ほど長く居られないというのが私の経験では多くあり、せっかくやってみたい仕事が目の前にあるのにできないという中でモチベーションを維持していくのはとても大変でした。
ジョブローテーションのメリット
ここまで、ジョブローテーションのデメリットについて書いてきましたが、見方を変えることで、実は以下のようなメリットもあります。
幅広い分野を経験できる
デメリットでは「専門性が身に付かない」ということを書きましたが、その反面、幅広い分野を経験することができます。
これだけ異なる幅広い分野を経験できるのは、民間企業ではなかなか無いことで、公務員という安定した枠組みの中で経験できるというのはとてもありがたいことです。
得意不得意が分かる
転職を考えている人の中には、なんとなくでもこの業界にいきたい、こんな仕事がしたいというイメージがあるのではないでしょうか。
また、転職を考えていなくても、こんな業界に興味があるなというものがありませんか?
異動により様々な分野を経験することで、抱いていたイメージと違うことや自分に向いていないなと感じることがあります。
逆に、やってみたら意外と性に合っていたなんてこともあり、新たな発見もあるかもしれません。
転職をしなくても、それを試すことができる環境を職場が提供してくれるなんてとてもラッキーなことです。
人脈を作れる
働く部署が変われば当然関わる人(業者)もガラリと変わります。
転職を少しでも考えているのなら、多くの業界の人と繋がることができる絶好のチャンスとなります。
また、その業界で働いている人が、どんな仕事を、どんな環境で、どんなやりがいを持って取り組んでいるのかを知ることができます。
ただの取引先と見るのではなく、将来の自分の姿として見ることで、様々な見え方ができるでしょう。
嫌な上司、同僚と離れることができる
これはメリットというよりも、現状の人間関係に悩みを抱えている場合の、希望の光という要素が強いものです。
長い社会人生活の中には、1度や2度嫌な上司や同僚と一緒に働かなければいけないときってあると思います。
そんなとき、ジョブローテーションがあれば、すごい嫌だけれど2、3年我慢すれば相手か自分が異動すると考えればとても気が楽になります。
部署内での人間関係が悪い場合は、それもリセットできるというメリットがあります。
ただし、パワハラなどで精神的にも限界という場合は、異動を待たずに人事部などへの相談や転職を考えることをオススメします。
ジョブローテーションを転職に活かそう!
私は、ジョブローテーションは組織の都合で行われるため、個人にとってはデメリットや苦労が多いと感じていました。
ただ、実際に転職活動をしてみると、その制度のメリットや利用できる面もたくさんあると気づき、なぜもっと多くのことを意識していなかったんだと後悔しました。
安定したお給料をいただきながら、様々な業界や会社、そこで働く人と出会うことができ、むしろ、その業界の片隅かもしれないけれど、足を踏み入れることができるんです。
安定を手にしたまま模擬転職ができるのだから、これから転職を考えている公務員にとって活かさない手はありません。
たくさんの部署で自発的にいろんな経験をしようとしたことが、間違いなく転職の面接の際の話すネタにもなりますし、好印象のポイントにもなります。
ジョブローテーションに悩んでいる公務員の方は、思考を変え、ぜひ前向きにそのチャンスを活かしてください!