公務員から民間企業への転職を決意したものの、周囲になんて言われるかが不安で言い出せないという方も多いと思います。
この記事では、10年間地方公務員として勤務した筆者が転職を決意したときに周囲がどんな反応だったかを書きます。
まだ、周囲へ報告できていないという方は、心の準備としてこの記事を参考にしてみてください。
【転職時の筆者の状況】
・地方公務員として勤務10年目
・30歳
・妻子持ち
「公務員辞める」って誰にいつ言うべき?
家族へは一番に相談
自分の中で転職の決意が固まったら、早速職場へ相談!とその前にまずは家族への相談が第一優先です。
「何を、当たり前のことを」と思われるかもしれませんが、意外とここを軽視して転職自体にスムーズに踏み出せないという方が私の周りにも多くいました。
男性で妻子がいる場合は特に、なぜ辞めるのか、辞めてからの生活設計はできているのか、現職にとどまることでのデメリットなど、しっかりと説明し納得してもらうことが大切です。いわゆる「嫁ブロック」を回避しなければなりません。
蔑ろにしてしまうと、仮に転職できたとしてもその後の生活において些細なことで溝ができてしまう可能性があります。
同僚へは上長との話がまとまってから
家族の了承を得ることができたら、次に職場での相談へと進みますが、まずは上長に相談するのが最良です。
つい同僚などにも相談したくなりますが、私の経験上、同僚などへは上層部との話がある程度まとまってから話すことをオススメします。
理由は、余計な尾ひれ背びれがついて上司へ話が回ってしまうのを防ぐためです。公務員は人が辞めるということが珍しいということ、公務員の職場の雰囲気自体が独特で閉鎖的です。
そうした状況から、波風を立てられることを嫌う人も一定数いることでしょう。面白おかしく噂話の標的にされ、それが上層部の耳に入ってしまい話し合いがこじれることは避けたいものです。職場での相談、報告は慎重に行うことが円満退職を目指す上で大切な要素となります。
「公務員辞める」って言ったらなんて言われた?
では、実際に周囲へ相談、報告したらなんと言われるでしょうか。私自身の経験を基に周囲の反応などを書いていきます。
家族・・・応援しているよ
まずは妻へ相談。
全く反対がなく「あなたの好きにしたらいいんじゃないかな。私はその決断を応援するよ」と言ってもらえました。理解ある妻に頭が上がりません・・・!
ただ妻への相談は事前に少しずつ話をしていました。さすがに、いきなり一発目で「辞めたい!」と言ったら夫婦仲に溝が入っていたと思います。普段からお互いの信頼関係を深めておくことで大事な相談事も頭ごなしに否定されるということは無くなるはずです。
上長・・・もう少し考えてみてくれ
私が一番相談しづらかった相手が直属の上司です。
入庁時から面倒をみていただいていた方だったため、裏切るようでとても心苦しかったです。その上司からは、「気持ちは分かったがもう少し考えてみてくれ」と言われました。こうした引き留めがあるというのは想定していましたが、面と向かって言われると義理や申し訳ないという気持ちが込み上げてきました。
ただし、ここで重要なのは絶対に退職の意向を曲げない。ということです。
退職の意向を取り下げることで、その場は「残ってくれてありがとう」となりますが、一度辞めようとした奴というイメージを持たれてしまい、とても仕事がやりにくくなります。その結果、数年後に結局退職するなんてことになる可能性もあります。
その頃には転職の熱や転職市場でのマーケットバリューが下がっているかもしれません。
一度上司に申し出た後は、最後まで退職の意思を貫くことが必須です。
同僚・・・よく決断したな
職場の近い同僚へは、上司・上層部との話し合いがまとまった後に報告しました。
近い同僚にはずっと民間へ転職したいということを話していましたので、そこまで驚かれることはなく、「よく決断したな」という反応でした。
また、別の同僚からは「いいなー」「俺も辞めようかな」といった反応もありました。
その他の職員へは特に報告もしなかったので、次年度の異動の内示が出た際に知れ渡ることとなりました。その時は結構な驚きが広がったようですが、「頑張れよ」と声を掛けていただくことが多かったように感じます。
番外編・・・公務員なんか民間では使えないよ
ここまで比較的ポジティブな言葉ばかりでしたが、当然、中には否定的な声もありました。
「公務員なんか民間に行ったってどうせ使えないんだから大人しくしてればいいのに」「わざわざ苦労しに行くなんてバカだな・・・」などなど言われましたが、それらは聞こえないフリということで笑
今となっては、心配してくれていたのかなと思うと同時に、僻みもあったのかなと感じます。
いずれにしてもこういった言葉を見返すことをモチベーションの1つとして頑張れているということもあります。
まとめ
意見は真摯に受け止めながら、自分の軸を大切に。
退職に関わらず物事にはたくさんの見方があります。
その人自身や環境、現在の状況によって様々な意見があることは承知の上、それらを真摯に受け止めましょう。受け止めた上で、自分自身の軸を大切にしていただきたいと思います。
これは私の偏見ですが、あなたの転職について、公務員内部においてはほとんどの意見が僻みや羨ましいという気持ちが大きいと思います。誰もが一度は考える転職の道を公務員という安定を捨てきれずに諦めてしまった、踏み出せなかった人が少し否定的な言葉を投げかけてきます。
あなたは悩み抜いて、考え抜いて転職という決断をしたのであれば、堂々と自信を持ってください。
ぜひ、周囲の言葉に流されることなく自分を信じていただくために少しでもこの記事が参考になれば幸いです。