「公務員辞めたいけど、世間知らず?」
「辞めてやっていけるかな・・・?」
「辞めたいなんて自分だけかも・・・」
そんな悩みを持っている公務員の方も多いのではないでしょうか。
あなたが今、辞めたいと思っているのはどんな理由があるでしょうか。
今回は、どんな理由で公務員を辞めたいと思う人がいるのか、また、実際にどんな理由で公務員を退職しているのか。を私の実体験も含めてお伝えしたいと思います。
ぜひ、みなさんの現状と比較してみてください。
地方公務員の退職状況
「実際に公務員を退職する人ってどのくらいいるんだろう」「ほとんどが定年退職でしょ」と思われている方へ、まずは公務員の退職状況について解説します。
総務省の「総務省 令和元年度地方公務員退職状況等調査」によると退職者の内訳は以下の通りとなります。
この調査から見ると、自己都合などが該当する普通退職者が全体の34.9%にあたる44,979人(「うち、在職期間の通算を伴う退職等」が7,950人)となっています。
この数字を見てみなさんはどう感じますか?
1年間で4万人以上が自らの意思で公務員を退職しています。
安心してください、退職で悩んでいるのはあなただけではありません。
みんなの退職理由
それでは、公務員の退職を考えている人はどんな理由があるのでしょうか。
実際に私の周囲にもいた退職理由も交えながらお話しさせていただきます。
①人間関係(職場内)
1つ目は、職場内の人間関係が原因での退職。
上司のパワハラやいじめなど、これらは公務員の世界でも当然にあります。
気難しい上司や同僚に悩まされ、報・連・相(ほうれんそう)ができずに若手が1人で抱え込んでしまうというのをよく見てきました。
そして、「仕事ができない奴」と烙印を押されてしまい、退職に追い込まれるケースが発生します。
職場内で後輩を育てようという意識が希薄というのがあります。
上司は退職までの残りの年数(極端にいうと異動するまでの数年間)を何事もなく過ごせればいいので、下が育つかどうかは二の次、三の次という方も多く、これにより若手が悩まされるというのがあります。
②人間関係(職場外)
次は、職場の外での人間関係です。
これは、職員間ではなく、公務員のお客様である「住民」の方との関係です。
これは特に小規模な自治体で、よくあることです。
「役所の職員」として身バレしている場合は、休日でも街を歩けば、仕事の話をされたり、地域のイベントに出なかったりすると猛烈なバッシングを受けます。
「いいよね、私たちの税金で・・・」なんてイヤミを言われることも多いのです。
仕事終わりにコンビニに寄ろうして、知り合いに会うのを避けて最寄りをスルーして少し離れたコンビニにわざわざ行くということを私自身もしていました。
プライベートが窮屈。とストレスを感じる方が多いのも実情です。
③仕事内容がつまらない
役所で働く地方公務員は、事務仕事やルーティーンワークがメインです。
公務員じゃない方は役所に行った際に、カタカタとパソコンに黙々と向かっている職員さんを見たことがあると思います。
まあ、楽しそうには見えないですよね・・・笑
地方公務員の業務でいうと、1年間の業務スケジュールが大体決まっています。
これは、総務部門や市民課、税務課などのどの部門でも決まっています。
毎年同じ業務をしていき、年数を重ねていくごとに当然慣れていくため余力も出てきます。新しい事業などが無い限り、同じ業務を繰り返すためつまらないと感じてしまうことが多いです。
(新しい事業が増えても正直困る・・・というのも公務員の本音です笑 国の政策や法律は変わると、けっこう自治体は振り回されます。今回のコロナのワクチン接種や給付金などもその例かと思います。)
つまらないと感じる一因として、仕事の成果が見えにくいというのもあります。
「商品を販売して購入してもらう」「サービスを提供して喜んでもらう」など、いずれも目の前のお客様が見えたり、『ありがとう』の言葉をいただけることがモチベーションの1つにもなります。
しかし、役所に勤めていると、誰のために、何のためにしている業務なのかが見えにくく、やりがいに繋がらないということがあります。
④先が見えてしまった
公務員は出世も昇給も年功序列の世界。余程仕事ができないということがない限り、このくらいの年齢になったら係長、など役職が見えてきます。
また給与にしても、給料表にしたがって決まっており昇給幅もわかります。
何年後にはいくら貰えるというのが分かってしまうのです。
人生設計を立てやすいというメリットがある一方、公務員になりたての若手や高いパフォーマンスを発揮している職員からすると、モチベーションが上がらないのです。
仕事もせずに喫煙室にばかり出入りしている上司や給料を貰うためにダラダラ仕事をしている先輩職員を見て、「自分も将来はこうなってしまうのか」と不安になり、自分の成果を反映されやすい環境への転職を考えることがあります。
⑤給料が安い
世間的には、高給取りと言われている公務員ですが、若いうちはそんなに貰えないというのが現状です。
新卒から数年は、大学時代の同級生が民間企業に就職して自分より遥かに貰っているということを聞くとガッカリしてしまいます。
ただし、年齢が上がるほど給与も上がってきますし、地方であればあるほど、民間で公務員並みの給与を頂けるところというと限られてきます。
⑥役所体質が合わない
役所には、民間出身者からすると考えられない慣例や仕組みが多くあります。
例えば・・・
・ペン1本買うのにも、お伺いを立てなければならない
(見積もりを取って、稟議書を書いて・・・など)
・突発的な予算がつけられない
新しい事業は次年度に予算を取ってから。急を要する場合は補正予算など・・・
税金を使っているため、適切な支出管理が必要なのは当然ですが、世間からスピード感を求められる中、構造的に無理なんだ!と葛藤も多くあります。
⑦やりたいことが見つかった
こちらはポジティブな理由での退職です。
いくら抜群の安定がある公務員といっても、職業の1つに過ぎません。
勤めている間に他にやりたいことが見つかるということもあります。これは公務員に限ったことではありませんが、ルーティンワークが多い中で他の職業や業種がキラキラして見え、自分の力を試してみたい!と思い転職を決意される方も多くいます。
まとめ
退職理由は公務員も民間も変わらない
いかがでしたでしょうか。今回は公務員の退職理由ということで挙げさせていただきましたが、これらは公務員に限ったことではなく民間企業でも同じような理由で退職される方がほとんどだと思います。
つまり、公務員だから何か特別な理由が無いと退職できないということは全く無く、1つの職業として自由に転職を考えてもいいということです。
退職すべきか悩まれている方は、同じような悩みを抱えている方はたくさんいるということを理解していただき、1人で抱え込まずに前向きに考えてみてください。